ご自身の犬に対して基本(基礎)訓練を行なう際、
犬の行動をコントロールする為に必要な「コマンド」。
コマンドは英語、日本語、どちらでも構いません。
犬の混乱する原因となるコマンドの使い手側の問題(統一性のない混同状態)さえ防げれば、ですが。
ちなみに公式組織上の使い分けだと、
盲導犬訓練士やドッグトレーナーは英語が多い傾向です。
犬を訓練する技術はアメリカやイギリス等から入ってきたものなので、
その名残もあって英語が使われているようです。雰囲気というのもあるのですが…。
警察犬はTV等でも確認できますが日本語です。
公式組織上でも統一されてはいませんが、
大事なことはコマンドをきちんと家族全体で統一できているか?
指示を出す人間が常に言葉を意識し、
犬にしっかり伝わっているかを感じ取りながらコミュニケーションを図ることです。
訓練の時のご褒美はトリーツと呼ばれる食べ物を使用しますが、
犬用クッキーや犬用ボーロ等、与えても太らない様なものを使用すれば良いと思います。
大好物を与えるとオヤツ目的で犬が動くようになり、本来の目的から逸脱するケースがあります。
トリーツ等のご褒美は、慣れてきたら無くてもドッグコントロール出来るように仕向けていきます。
犬を黙らせる
子犬のうちに教える場合
うるさくて黙らせる最初のキッカケは、
左手でリードをグッと引いて犬を寄せ、
別の手でマズルをしっかり掴む。指先が下顎の中心の窪みに入るようにする。
barkまたはspeak、これらはワンワンと吠えることを指します。
なので黙らせる場合はNoを付けて、
目をじっと見て意思疎通が効くタイミングで静かに「No speak」 または“「No bark」。
掴んだ手を離して犬が静かになったら褒めます。また吠え始めたら同じ要領で繰り返します。
完全に静かになるまで根気強く何度でも続けることが大切です。
犬が飼い主のコントロール下にあることを教えるのに大事な一歩です。
いついかなる時も騒いで良いかどうかを決めるのは、犬ではなく飼い主であることを理解させます。
ただし、成犬の場合はこの限りではありません。
片手でマズルを掴みきれない、力負けする、納得していない犬、攻撃的な犬はその手を目一杯噛む場合があるからです。
犬の注意をひく、アイコンタクトの第一歩
左手でリードをつかみ、子犬の名を呼び、右手に持つご褒美を自身の顔中心(鼻)に近づけて、
「Look♪」または「Look me♪」とコマンドを出します。
必ず子犬と目を合わせること。♪は高揚した発音で明るめに伝えるという意味です。
子犬の関心が周囲のものから完璧に自分に移ったと確認出来たら、すかさず誉めてご褒美を与えます。
所定の位置で犬を待たせる時
Stay here→そこで待て
ドッグトレーナーのデモや解説、他の飼い主の実技訓練中などで順番を待つ間、
犬は所定の位置を定位置として動かないようにしつけます。
このコマンドは人の都合で決めた位置で待たせる場合に使います。
最初はシートやマット等、犬が解りやすい物を対象とした方が飲み込みは早いです。
ご褒美を犬を待たせたい位置に置き、床に敷いたシート等を指で指し示してコマンドを出します。
コマンドを出して、目の前でポイッとご褒美を軽く投げても構いません。
犬がご褒美目当てに上手にシート上に乗ったらしっかり褒める。
これを繰り返し、ご褒美抜きで場所を指し示す、またはコマンドだけで指示した場所に乗るように教えていきます。
犬を自分の所に呼び戻す
come→自分のところまでおいで
ある意味、一番基本でいちばん大事なコマンドだと思います。
このコマンドで大事なのは人間が楽しそうな声で呼ぶことです。
簡単なのは2人一組になって行うものです。
5m程度離れて1人はリードを持って子犬を引き寄せておきます。
もう1人が子犬に向かい名前を呼び、「Come」とコマンドします。
相手はすぐにリードを離し、子犬が目的の1人まで走って来たらしっかり誉めてリードを掴みます。
立場を変えてこれを繰り返す。
これは、子犬の場合だと「何かおもしろそうだ、行ってみよう」と思わせることがポイントです。
恐い声でやると「行くと怒られそうだから逃げよう、止めよう」となってしまい、
最悪コマンドに反応しなくなってしまいます。comeコマンドは便利な半面、そういう危険な側面も持っています。
comeを掛けられたら義務なんだから必ず来るのが当たりまえ、
これは人間サイドの勝手な決めつけです。
わざわざ怒られるのがミエミエなのに行くわけがありません。
そういう場合はcomeを使わないなど、しっかり使い分け、線引きする必要があります。
犬を叱る時以外でも、犬が嫌いなことが待っている場合(爪切りや注射、歯磨き、足裏カットなど)にも、
このコマンド使用は控えるべきです。
「嫌なこと」と「飼い主のところへ行く」ことが連結してしまうと、犬はこのコマンドに従わなくなります。
これらは犬のミスや怠惰などではなく、
ハッキリ言って人間側の過失、能力不足ということです。
それに早く人間が気づくべき、それが歩み寄り、訓練準備の第一弾となります。
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